お墓参り
供養とは供物を供給する、即ち、仏様などに対し水・花・香・食物を捧げることでした。 お墓参りのときの習慣は、古代インドにその起源をもつ古いもので、供養は仏前に供物をささげて読経し、亡き人を弔う言葉となりました。 お彼岸やお盆にはお墓参りは欠かせませんが、ご法事の際も同じようにお墓参りをされます。 また、どの場合でも墓参の作法に変わりはなく、特別決まったものはありませんが、一般に五供といって五つのお供えをします。
まず水でお墓を洗い清め、水鉢に清水を注ぎます。お花にお供物(食べ物)をお供えし、ローソクに火を燈し、お線香をあげてから合掌礼拝します。 供養としてのお墓参りは、故人が目の当たりに居るが如く真心を捧げるものです。
五つの供物(五供)
水
お墓参りの時の水は閼伽といいます。アルカという供養を意味する梵語からきたもので、仏の供養には絶対欠かせないものです。 またこの水を三輪といい、水それ自体が清浄であり、供える人の心が清浄であり、そしてお受け下さる仏の心が清浄であるということで三輪清浄と申します。
花
仏の坐処を荘厳するのが本来の意義だといわれていますが、白い花で香ばしい匂いのものが尊いとされています。
白色は浄徳を表わし清浄潔白の表徴とされています。 仏前、墓前に供養すれば、自他の心を浄化し家庭をも明るくする妙徳を備えています。燈明
「みあかしは凡夫の愚痴の闇を照らす功徳がある」と、お経に中に説かれており、また煩悩の身(自分)を燃やして世間を照らす仏の慈悲の光に譬えられています。 お燈明は宗教的雰囲気をつくる無量の妙徳を備えています。
四十九日間は仏の安住の場所という目印にお燈明をあげますが、成仏(四十九日以降)した仏には「仏智の光明」としてお燈明をあげる意味が強いと思います。香
お香は仏の使いであるとか、信心の使いであるといわれます。その香りは万遍なく中天に行き渡る妙徳を具えていて、仏の大慈悲心や太陽のようであると考えられています。良い香りをお供え申しあげ、仏のおられる場所をお清めし、我が身をも清めていただきます。
線香として我が国に伝来したのは17世紀半ばであるといわれていますが、仏教の発展と共に意義づけられ、 便利さもあって急速に普及し今日に至っています。香りのよいものをお供えしたいものです。食
食は仏飯を中心とした各種の食べ物があります。美味しいもの、珍しいものをまず仏前にお供えし、仏様に喜んでいただくと共に、私たちがお相伴することによってお互いに喜びを分かち合うのです。私たちが毎日食するものの中で、新鮮で清浄なものを選び、心からお供えするという浄心が最も大切で、供物はもちろん「精進もの」と定められています。